• 女性の薄毛・抜け毛のお悩み

女性の薄毛・抜け毛完全ガイド【原因・対策・治療法】|医師監修コラム

  • 公開日:2022年10月3日
  • 更新日:2023年8月23日

女性の薄毛・抜け毛完全ガイド【原因・対策・治療法】|医師監修コラム

「髪は女の命」という言葉からもわかるように、女性にとって髪のトラブルは非常に深刻なもの。特に薄毛や抜け毛といえば男性のお悩みというイメージはいまだ根深く、周囲にもなかなか相談できずにいる女性もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、女性の薄毛治療を行っている医師監修のもと、女性の薄毛の原因や改善方法について詳しく解説します。

このコラムを監修した医師

岩崎衛

岩崎衛 医師(スマイルAGAクリニック 八重洲院 院長)

スマイルAGAクリニック 八重洲院 院長

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薄毛になる主な原因の一つは”女性ホルモン”の減少

女性の薄毛や抜け毛には、女性ホルモンが深く関係していることはご存じでしょうか?
女性ホルモンは、女性の卵巣で作られるホルモンで、エストロゲンとプロゲステロンの2種類があります。このうちエストロゲンは、女性らしい身体をつくる役割をもっているのですが、ヘアサイクルを正常に保ち、髪の成長を促進させる重要な役割も担っています。そのため、加齢や外的要因によって分泌量が減少すると、髪の健康が保てず薄毛や抜け毛に繋がってしまうのです。

女性ホルモンとヘアサイクルの関係

髪の毛が生えてから抜けるまでには一定のサイクルがあり、「成長期」「退行期」「休止期」を絶えず繰り返しています。ヘアサイクルが正常であれば、成長期は2~6年程ありますが、ホルモンバランスが崩れることで、数カ月~1年程に短縮されてしまいます。成長期が短いと、髪は十分に太く育つ前に退行期に入り、細く短い状態のまま抜け落ちるようになります。こうなると、抜け毛が増えたり、髪のボリュームが減って頭皮が露出したりするなど、薄毛はどんどん進行していきます。

女性ホルモンの影響で乱れたヘアサイクル

女性ホルモンの影響で乱れたヘアサイクル

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女性ホルモン減少によって起こる脱毛症

女性ホルモンが減少することで、脱毛症を引き起こす場合があります。女性の脱毛症は男性に比べて種類が多く、さまざまな要因がきっかけで発症します。安易に自己判断はせず、心当たりがある方は医療機関へ受診するようにしましょう。

びまん性脱毛症

女性がかかる脱毛症で最も多いのが、びまん性脱毛症と言われています。びまん(瀰漫)には、「広がり・はびこる」という意味があります。びまん性脱毛症はその言葉通り、抜け毛が増えて髪全体に薄毛が広がっていく症状が特徴です。
女性ホルモンの分泌量は思春期から20代をピークに、30代後半から徐々に減少。45歳ごろになると急激に低下していきます。びまん性脱毛症はこの女性ホルモンが低下する頃に起こりやすいのが特徴です。
また、ストレスによる自律神経の乱れが原因になることもあり、この場合は年齢が若くても発症する可能性があります。

びまん性脱毛症の進行イメージ

びまん性脱毛症の進行イメージ

女性の男性型脱毛症(FAGA)

加齢によって女性ホルモンが減少すると、少量ながら女性の体内でも作られている男性ホルモンの影響を受けて薄毛になることがあります。髪に悪影響を与えるのは男性ホルモンの1種である、ジヒドロテストステロン(DHT)です。このDHTはヘアサイクルを乱して髪の成長を阻害し、薄毛や抜け毛を進行させます。
FAGAの薄毛の進行パターンには、頭頂部から周りが徐々に薄くなるルードウィッグ型や、頭頂部の分け目から広がるクリスマスツリー型、生え際から進行するハミルトン型があります。総じて徐々に髪全体に広がっていくため、気づかないうちに症状が進行してしまうことも少なくありません。

FAGAの進行パターン

FAGAの進行パターン

FAGAの症状や原因については、以下ページでさらに詳しく解説しています。
【医師監修】女性のAGA(FAGA)の原因と治療法

分娩後脱毛症(産後脱毛症)

妊娠してから28~32週間経過すると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量は通常の100倍、プロゲステロンは15倍になります。女性ホルモンの減少が薄毛の原因になるので、裏を返せば、この期間は毛髪にハリやコシがでて抜け毛も起こりにくい、髪のコンディションが整いやすい期間と言えるでしょう。
しかし出産が終わると、盛んに分泌されていた女性ホルモンが激減。ホルモン量は妊娠前に戻り、髪が一気に抜け落ちてしまいます。これが分娩後脱毛症です。
ただし、髪の毛は一定の周期で必ず抜けてしまうもの。ヘアサイクル的には正常な流れに戻ったに過ぎません。急な身体の変化もあり不安に思われる方も多いと思いますが、抜けた後は徐々に自然とまた生えてくるのでご安心ください。

妊娠・出産と女性ホルモン(エストロゲン)の変化

妊娠・出産と女性ホルモン(エストロゲン)の変化

注意! 過剰なダイエットが薄毛の原因になることも

体重計

体重計過剰なダイエットが原因で脱毛症になってしまう場合があります。
身体に負担をかけるダイエットをしていると、女性ホルモンのバランスが崩れて薄毛の原因になります。また、食生活に偏りがあると髪へ栄養が行き渡らず、髪の成長を阻害するようになります。髪の健康を保つためにも、栄養のある食事をしっかりと取り、過剰なダイエットは控えるようにしましょう。

女性ホルモン以外の原因で起こる脱毛症

脱毛症はホルモンバランスの影響だけによって引き起こされるとは限りません。以下では、男女に共通して起こりうる脱毛症をご紹介します。

円形脱毛症

円形脱毛症

円形脱毛症円形脱毛症は、円形や楕円形に脱毛斑が生じる疾患です。症状は10円硬化くらいの脱毛から、髪全体が抜け落ちるものまで人によってさまざまです。
びまん性脱毛症やFAGAは髪全体が薄くなっていくのに対し、円形脱毛症は短期間で局所的に症状があらわれます。
ストレスが原因という説もありますが、現在は、免疫機能が異常をきたした時に起こる自己免疫疾患と考えられています[1]。自己免疫疾患とは、外部からの侵入者を攻撃することで、自分の身体を守るはずの免疫機能が、自身の細胞を異物とみなして攻撃してしまう病気のことです。
円形脱毛症は、年齢性別問わず誰にでも起こりうる疾患ですが、他の自己免疫疾患と併用して発症するケースも少なくありません。症状が見られる方は、適切な治療を行うためにも、医療機関の受診をおすすめします。

牽引性脱毛症

牽引性脱毛症になりやすい箇所

牽引性脱毛症になりやすい箇所牽引には、「引っ張る、引き寄せる」という意味があります。髪を長時間きつく結んでいると、頭皮にダメージが蓄積し、血行不良を招きます。そうすると、結い上げた際に負荷がかかる髪の生え際や分け目の頭皮が目立つようになります。特にポニーテールなど髪を強く結い上げる結び方をしていたり、いつも固定の位置で結ぶ習慣があったりする人は要注意です。

脂漏性脱毛症

頭皮の皮脂

頭皮の皮脂脂漏性脱毛症は、皮脂の過剰分泌が原因で起こる脱毛症です。頭皮や髪がベタついたり、ニキビやフケが目立ってきたりする場合は、この疾患を疑ってもよいかもしれません。
生活習慣の乱れや睡眠不足、ストレス、皮脂の洗い残しによって皮脂が過剰に分泌され、頭皮環境が悪化し、抜け毛が増えるようになります。頭皮を清潔に保つことが改善に繋がりますが、症状がひどい場合は、皮膚科などの医療機関を受診されるとよいでしょう。

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女性の薄毛は男性とどう違う?

男性と女性では進行の仕方や原因に違いがあります。
男性の薄毛は、生え際や頭頂部など局所から進行していくのが特徴的で、最終的には前頭部から頭頂部の髪が生えてこなくなります。見た目もわかりやすいため、初期段階でAGAに気づき、早々に治療を始められる方も少なくないでしょう。
一方、女性の薄毛は、髪全体がびまん性に進行していきます。そのため、初期はなんとなく髪のボリュームが減ってきたように感じたり、抜け毛が増えたりする程度で脱毛症を発症していることに自分で気が付きにくい傾向にあります。
原因に関しても、男性はほとんどの場合、男性ホルモンの影響と言われていますが、女性の場合はホルモンバランスの変化や生活習慣など薄毛に至る原因はさまざまです。このように、薄毛・抜け毛になる原因が複数あることが男性との大きな違いです。

治療薬の違い

男性と女性では薄毛の発症原因が異なり、それぞれに専用の治療法が確立しています。特に、男性のAGA治療として用いられるフィナステリドやデュタステリドは、女性が使用すると胎児に影響が出る可能性があるため、禁忌とされています[2]。また、これらは女性の場合、服用だけでなく薬剤に触れることも危険なので、取扱には十分に注意する必要があります。

日常生活で行える女性の薄毛予防・対策

薄毛が気になる方へ今日から行える予防法をご紹介します。髪の健康を保つためにも、普段の生活で以下の3つを意識してみることから始めてみましょう。

➀バランスの取れた食事

健康的な髪を作るためには、バランスの取れた食事が大切です。プラスで髪の毛を作る上で必要な栄養素(タンパク質や亜鉛、鉄分、ビタミン)を積極的に取り入れるのもよいでしょう。

《薄毛の予防対策として取り入れたい食べ物》

タンパク質 豚肉、卵、乳製品、青魚
亜鉛 牡蛎、牛肉の赤身、高野豆腐、ブロッコリー
鉄分 ほうれん草、ひじき、レバー
ビタミン 豚肉、にんにく、しじみ、かぼちゃ、アボカド

②適度な睡眠

睡眠中に分泌される成長ホルモンは育毛に有効な成分の一つです。逆に睡眠不足の場合、血行不良を招き、薄毛の原因になることも考えられます。毎日しっかり睡眠をとることで、髪の成長を促し、健やかな頭皮環境を維持しましょう。

③ストレスの軽減

ストレスの軽減は、健康的な髪を維持するためにも重要です。ストレスを抱えてしまうと、女性ホルモンの分泌量が減少してしまいます。そのため、普段から適度に発散し、ストレスを貯め込まないようにすることが大切です。

女性の薄毛改善に効果的な治療法

女性の薄毛に有効な治療法をご紹介します。治療を行う際は、薄毛・抜け毛を専門としているクリニックを受診されることをおすすめします。

ミノキシジル(内服薬・外用薬)

市販の発毛剤に配合されることも多いため、すでにご存じの方も多いでしょう。ミノキシジルには、内服薬と外用薬の2種類があり、外用薬は「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」でも有効性が認められてます[3]。毛母細胞を刺激して毛髪のヘアサイクルを正常化、抜け毛の予防に有効な治療薬です。

ミノキシジルに関して、以下コラムで詳しくご紹介しています。
ミノキシジル【効果と副作用】女性も使える? もしやめたら?

スピロノラクトン

スピロノラクトンは、高血圧や浮腫などの治療薬として用いられていますが、テストステロンの生成を抑制したり、男性ホルモンの作用を阻害する働きがあると考えられています。男性ホルモンを抑制することで、ヘアサイクルを整え、抜け毛を予防する効果が期待できます。

高濃度注入治療(メソセラピー)

毛髪再生に有効な成長因子を頭皮に直接注入することで、ヘアサイクルを正常に戻し、発毛力を高める治療法です。注入治療は、外用薬や内服薬と併用することで、しっかりと発毛を促す効果が期待できます。

当院のメソセラピーについて詳しくはこちらをご覧ください。
女性の薄毛治療

薬剤の個人輸入による健康被害にご注意ください!

個人輸入による医師の処方を伴わない薬剤は、人体に有害な物質が含まれている可能性があります。万が一、副作用や不具合などが起きた場合に、適切な処置が困難になることも考えられます。治療を検討される際は医療機関を受診し、医師から適切な治療薬を処方してもらうことをおすすめします。

女性の薄毛治療の症例

最後に、薄毛のお悩みでご来院された患者様の症例をご紹介します。AGA治療とメソセラピーによって、薄毛の症状が目に見えて改善されています。

【20代女性/治療開始7カ月経過】

薄毛治療開始から7ヵ月後の20代女性の症例

薄毛治療開始から7ヵ月後の20代女性の症例

【30代女性/治療開始7カ月経過】

薄毛治療開始から7ヵ月後の30代女性の症例

薄毛治療開始から7ヵ月後の30代女性の症例

【50代女性/治療開始7カ月経過】

薄毛治療開始から7ヵ月後の50代女性の症例

薄毛治療開始から7ヵ月後の50代女性の症例

治療名 AGA治療薬(内服・外用)+メソセラピー
治療にかかる費用 ¥24,300 ~ ¥198,000/1回 【モニターをご希望の方はこちら】
副作用 【ミノキシジル内服】多毛、血圧低下、浮腫、頭痛、吐き気、嘔吐、動悸、心拍数の増加、倦怠感、眠気、体重増加、白血球減少、血小板減少症
【スピロノラクトン内服】電解質異常、腎機能障害、肝機能障害、月経不順、眩暈、食欲不振、掻痒、悪心・嘔吐、倦怠感
【メソセラピー】赤み、熱感、腫れ、初期脱毛、内出血
※これらの副作用が必ず起こるわけではありません。

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薄毛のお悩みは一人で抱え込まず、医療機関へ相談を

女性の薄毛・抜け毛の症状は髪全体に徐々に進行していくため、自身では気づくのが遅れることも多く、気づいても間違った対処法によって、さらに薄毛を進行させてしまう可能性があります。
当院には、薄毛でお悩みの女性が数多くご来院されています。お一人おひとりのお悩みをしっかりお伺いし、患者様に最適な治療法をご提案させていただきます。薄毛でお悩みの方は、一人で悩まずにお気軽にご相談ください。

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コラムのポイント

  • 女性の薄毛の原因は、女性ホルモンが関係するものとそうでないものの大きくわけて2種類
  • 男性と女性の薄毛には、進行の仕方や治療薬に違いがある
  • 女性には女性の適切な治療法があるので、気になったらすぐに医療機関に相談を

引用文献