「髪が薄くなってきたので何とかしたい」「薄毛対策がいろいろあって選べない」と悩んでいる方は少なくないのではないでしょうか? ここでは薄毛の原因から、すぐにできる対策や効果的な治療法まで詳しく解説します。すでにセルフケアやサロンに通ってみたけれど、なかなか改善しなかったという方もぜひ参考にご覧ください。
薄毛の原因で最も多いのはAGA(男性型脱毛症)
実は、薄毛の原因のほとんどがAGA(男性型脱毛症)であると言われています。AGAは、全国でも1,260万人、成人男性の約3人に1人が抱える男性ホルモンや遺伝によって起こる進行性の疾患です。症状は、生え際や頭頂部のどちらか一方、または双方の抜け毛や薄毛が徐々に進行していき、最終的には前頭部から頭頂部の髪が生えなくなってしまいます。
早いと未成年でも発症する可能性があり、放置するとどんどん症状が進行してしまうため、薄毛が気になり始めたタイミングで早急に対処することが大切です。
今すぐ確認!AGAセルフチェック
まずは、AGAであるかどうかセルフチェックをしてみましょう。下記の項目が気になる方は、早めに一度クリニックを受診されることをおすすめします。
- 産毛のような細かく短い髪が多くなった
- 以前に比べて抜け毛が増えた
- 家族または親族に薄毛の人がいる
- 額の生え際が後退してきたと感じる
- 頭頂部の地肌が透けて見えるようになってきた
- 起床時・シャンプー時の抜け毛が気になる
- 薄毛が徐々に進行している実感がある
- 同世代より髪が薄いと感じる
- 頭皮が脂っぽくベタベタしている
- 脂肪分の多い食事が多い
- タバコを吸う
AGAの原因とは
薄毛の改善をするために、まずは原因を知っておくことが大切です。なぜ髪の毛が薄くなってしまうのか、その原因を探っていきましょう。
原因➀ 男性ホルモン
男性ホルモンにはいくつか種類があり、そのすべてが薄毛に影響しているわけではありません。例えば、男性ホルモンの代表格テストステロンは、筋肉や骨の成長促進や精神面にもポジティブな影響をもたらします。
しかし、このテストステロンが、5α-リダクターゼという酵素と結びつくと、「ジヒドロテストステロン(DHT)」が生成されます。
このDHTが、髪の成長を妨げて抜け毛を誘発[1]。薄毛を進行させます。


原因② 遺伝
薄毛の原因というと「遺伝」を一番に思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際に遺伝が薄毛に影響することは医学的にも報告されています[2]。もし身内に薄毛の人が多ければ、その性質を受け継いでいる可能性があるでしょう。
遺伝的要因として5α-リダクターゼの活性の強弱、脱毛を誘導するTGF-βやジヒドロテストステロンの感受性の強弱などが考えられます。
AGAは男性の場合、母系のX染色体の影響を受けやすく、母方の家系に薄毛の人がいるとその遺伝を引き継ぎやすいと言われています[3]。


原因③ 毛周期(ヘアサイクル)の乱れ
ヘアサイクルには、「成長期」「退行期」「休止期」があり、中でも成長期は一番長く2~6年間かけて成長していきます。しかし、ヘアサイクルが乱れると、この成長期が数カ月~1年程に短縮され、髪の毛が十分な太さと長さに成長しきらないまま抜け落ちてしまいます。
もし、髪の毛が産毛のように細く短いようであれば、ヘアサイクルに乱れが生じている可能性があります。


今すぐできる! 改善すべき薄毛に影響する6つの生活習慣
日々の食生活や睡眠、ストレスなどの生活習慣も、髪の健康に影響しています。薄毛を防ぐためにも、健康的な生活を心がけることが大切です。下記の6つの習慣がないか、日頃の生活を見返してみましょう。
栄養の偏った食事
健康的な髪の毛を作り出すためには、バランスの良い食事が必要不可欠です。これを食べたら薄毛が改善するといった特定の食べ物はありませんが、抜け毛・薄毛の予防対策として、髪の毛の基礎となるたんぱく質やビタミン、亜鉛が多く含まれる食品を摂取されるとよいでしょう。
《薄毛の予防対策として取り入れたい食べ物》
タンパク質 | 肉類・魚介類・卵類・大豆製品・乳製品など |
---|---|
ビタミン | 豚肉・たらこ・うなぎ・柑橘類・緑黄色野菜・ナッツ類など |
亜鉛 | 牡蠣・豚レバー・牛もも肉・うなぎ・かつおぶし・切り干し大根など |
過度な飲酒
アルコールの分解には、ミネラル「亜鉛」が必要です。ただこのミネラルは、育毛にも欠かせない成分でもあり、多量に飲酒をすると髪へ運ばれる分が足りなくなってしまいます。また、アルコールを過度に摂取すると体内にDHTが溜まり、薄毛を促進させる可能性があります。
喫煙
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させるため、血行不良を引き起こします。毛根の血行が悪くなると、頭皮に十分な栄養が運ばれなくなり、髪の成長を妨げてしまいます。また、喫煙者は非喫煙者より薄毛の原因であるDHTの濃度が高いことが、海外の研究によって報告されています[4]。
運動不足
運動不足は、血行不良や身体の代謝機能の低下を招き、髪の毛の成長の妨げとなります。適度な運動で血行が良くなれば、毛母細胞が活性化して毛髪の発育も改善します。運動と言っても激しい有酸素運動をしなければならないというわけではありません。運動不足の方は、簡単なストレッチやウォーキングから始めてみましょう。
睡眠不足
髪の毛を成長させるホルモンは睡眠開始から3時間以内のノンレム睡眠時が1番多いとされています。睡眠不足によって体内時計が狂うと、ホルモンが減少して髪のもととなるたんぱく質が作られにくくなってしまいます。厚生労働省の健康づくりのための睡眠方針では、必要な睡眠時間は6時間以上8時間未満とされています[5]。
ストレス過多
ストレスを受けると、自律神経が乱れて血管収縮が起こり、血行不良が生じます。飲酒喫煙と同様、血流が滞ると髪の成長に悪影響を与える可能性があります。また、過度なストレスは円形に髪の毛が抜けてしまう円形脱毛症を引き起こすとされています。


薄毛改善に効果的なAGA治療
AGAによる薄毛を改善するためには、生活習慣の見直しとAGA治療の2つアプローチが効果的です。ここではAGAに有効な4つの治療法をご紹介します。
内服薬
AGA治療の内服薬は複数の種類があり、それぞれ効果が異なります。成分には薄毛の原因であるDHTの発生を抑える効果のあるフェナステリドやデュタステリド、血流を促し髪に必要な栄養を与えるミノキシジルが含まれています。副作用があるため、治療を検討している方は事前に確認するようにしましょう。
主な内服薬の名称 | 効果 | 副作用 |
---|---|---|
プロペシア | 主成分:フィナステリド 5αリダクターゼII型を抑制 | 胃部不快感/性欲減退/勃起不全/肝機能障害など |
プロペシアの ジェネリック医薬品 | 主成分:フィナステリド 5αリダクターゼII型を抑制 | 胃部不快感/性欲減退/勃起不全/肝機能障害など |
ザガーロ | 主成分:デュタステリド 5αリダクターゼI型・II型を抑制 | 胃部不快感/性欲減退/勃起不全/肝機能障害など |
ミノキシジル | 主成分:ミノキシジル 血流を促進し毛母細胞を活性化、発毛を促す | 初期脱毛/めまい/むくみ/体毛の増加/肝機能障害など |
外用薬
薄毛が気になる部分へピンポイントに塗布する薬です。外用薬としてよく知られているのが、発毛効果に優れたミノキシジルで、日本皮膚科学会のAGA診療ガイドラインにおいて、最高Aランクと推奨されています。
注入薬(メソセラピー・HARG療法)
注入治療には種類があり、メソセラピーやHARG療法といった治療名で行われています。
頭皮や毛根を再生させる効果のある薬剤を頭皮に直接注入することで、ヘアサイクルを正常に戻し、発毛を促進させます。
植毛(自毛・人工毛)
薄毛が気になる部分に自分の髪の毛や人工の毛髪を植えつける施術です。自毛植毛の場合は、男性ホルモンの影響を受けにくい後頭部の毛を、生え際や頭頂部分に移植します。人工毛植毛は、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維からできている人工毛を移植します。
なお、人工毛植毛は日本皮膚科学会の診療ガイドラインでは、評価がDランクと低く、施術すべきではないとされています。
AGA治療は薄毛の進行度で決まる
AGAの進行度合いはいくつかのパターンで分類されており、人によってその過程は異なります。
その進行パターンをI型からVII型に分類した指標が「ハミルトン・ノーウッド分類」と言います。この分類から、AGAがどの程度進んでいる状態なのか、どういった治療がいいかを判断することができます。


進行度によってはなかなか改善できないケースも…
この分類においてⅢ型までであれば、髪の毛を形成する毛乳頭や毛母細胞が生き残っている可能性が高い傾向にあります。治療をすれば自毛が徐々に増えていき、薄毛の改善が期待できるでしょう。しかし、症状が進行すると毛母細胞が死んでしまっているケースが多く、内服薬・外用薬では発毛効果を実感できない可能性があります。
その場合は植毛という手段もありますが、自由診療かつ外科手術なので、他のAGA治療と比べて高額な治療費がかかります。また、発毛効果を実感するまでに時間がかかるため、根気強く治療を続ける必要があります。
このように、早期段階から治療すれば十分な治療効果を感じることができますが、症状が進行すればするほど治療期間も長く、金額的にも身体的にも負担がかかってしまいます。
そのため、薄毛の症状に心当たりがある方は、なるべく早く治療を受けることをおすすめします。
AGA治療の症例
最後に、当院でAGA治療を受けた患者様の症例をご紹介します。数カ月のAGA治療薬の服用と、発毛有効成分を頭皮に直接注入する高濃度注入治療「メソセラピー」を行うことで、薄毛が改善されました。
【20代男性/治療開始3ヵ月経過】


【40代男性/治療開始9ヵ月経過】


治療名 | AGA治療薬(内服・外用)+メソセラピー |
---|---|
治療にかかる費用 | ¥24,300 ~ ¥198,000/1回 【モニターをご希望の方はこちら】 |
副作用 | 【フィナステリド内服】胃部不快感、性欲減退、勃起不全、精子減少、睾丸痛、唇や顔面の腫れ、じんましん、発疹、肝機能障害 【ミノキシジル内服】多毛、血圧低下、浮腫、頭痛、吐き気、嘔吐、動悸、心拍数の増加、倦怠感、眠気、体重増加、白血球減少、血小板減少症 【メソセラピー】赤み、熱感、腫れ、初期脱毛、内出血 ※これらの副作用が必ず起こるわけではありません。 |
薄毛改善は早めの対策が肝心!
AGAは年齢問わず誰にでも起こりうる脱毛症です。症状が軽いうちは治療効果が高く、早期改善が期待できます。この記事を読んでAGAの疑いがあるとお気づきの方は、早めに一度クリニックを受診されることをおすすめします。
自分に最適な治療を受けるためにも、治療前のカウンセリングだけでなく、通い始めてからもしっかり相談できるクリニックを選ぶことが大切です。
当クリニックでは、専門のカウンセラーが患者さまの頭皮や頭髪の状態や、お一人おひとりの薄毛のお悩みをじっくりお伺いします。薄毛でお困りの方、改善策をお探しの方はぜひお気軽にご相談ください。
- 薄毛の原因はホルモンや遺伝をはじめ、生活習慣など多岐にわたる
- 主な原因は、AGA(男性型脱毛症)
- AGAは進行性なので、早期段階での治療が薄毛改善のカギ
よくある質問


シャンプーには、ふけ・かゆみを防ぐ、毛髪・頭皮をすこやかに保つ、毛髪・頭皮の汗臭を防ぐといった効能効果があり、頭皮環境を整える効果があります。
あくまで洗浄を目的としているものなので、シャンプーだけでAGAを根本的に治すことはできませんが、毛髪が育ちやすい環境作りには必要といえるでしょう。
逆に頭皮が乾燥などで敏感になっている時に、洗浄力の高いシャンプーの使用したり、地肌に合っていないシャンプーを使うと、頭皮トラブルの原因になる可能性があります。皮膚科やAGA専門クリニックでも取り扱っていることが多いため、AGA治療と一緒に毎日のルーティンとして取り入れてみてはいかがでしょうか。


男性と女性では、薄毛の原因や進行パターンが異なるため、女性ならではの治療が必要です。
副作用の面から、AGA治療薬で有名なフィナステリドやデュタステリドは、女性への投与が認められておらず、女性用の内服薬やミノキシジルの外用薬が用いられます。
女性の薄毛は、びまん(瀰漫)性脱毛症や女性男性型脱毛症(FAGA)、分娩後脱毛症など原因は人によってさまざまです。薄毛を改善するためには原因を特定し、自分に合った治療を選択することが重要です。
女性の薄毛の原因や治療法について、下記のコラムで詳しくご紹介しています。
- [1] 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版|日本皮膚科学会
- [2] Li R, Brockschmidt FF, Kiefer AK, et al. Six novel susceptibility Loci for early-onset androgenetic alopecia and their unexpected association with common diseases, PLoS Genet,e1002746.2012
- [3] Axel M.Hillmer, et al. Genetic Variation in the Human Androgen Receptor Gene Is the Major Determinant of Common Early-Onset Androgenetic Alopecia, AJHG Volume 77, Issue 1, July 2005, Pages 140-148
- [4] A E Field,et al. The relation of smoking, age, relative weight, and dietary intake to serum adrenal steroids, sex hormones, and sex hormone-binding globulin in middle-aged men, J Clin Endocrinol Metab.79(5):1310-6.1994 Nov
- [5] 健康づくりのための睡眠指針2014|厚生労働省資料