頭頂部の薄毛(つむじはげ)は、自分ではなかなか気づきにくいもの。それだけに、周囲から指摘されるころにはかなり進行していたということも少なくありません。つむじはげはAGA(男性型脱毛症)の典型的な症状の一つでもあるので、悪化させないためには早期からの治療が求められます。
ここでは、頭頂部の薄毛の原因と必要な対策について解説します。
頭頂部の薄毛(つむじはげ)の原因
つむじはげを引き起こす原因として、考えられるものをいくつかご紹介します。
AGA(男性型脱毛症)
つむじはげの原因として、最も頻度が高いのがAGA(Androgenetic Alopecia:男性型脱毛症)です。
成人男性に見られる脱毛症で、薄毛や抜け毛が徐々に進行して行きます。おでこの生え際や頭頂部といった局所から薄くなっていくのが特徴です。日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」[1]によると、日本の成人男性がAGAを発症する頻度は約30%、50歳以上に至っては40%にも達するとのこと。非常に一般的な疾患です。
薄毛は男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)によって引き起こされます。DHTはテストステロンが5α-リダクターゼという酵素と結びつくことで生成されます。このDHTがヘアサイクルを乱し、髪の成長を妨げるのです。
頭皮環境の悪化
つむじはげは、乾燥、日焼け、皮脂の分泌過多やフケといった頭皮環境の悪化の影響で生じることもあります。過剰に分泌された皮脂の蓄積、酸化によって雑菌が繁殖したり、汚れで毛穴が塞がれるなどの影響で髪の土台である頭皮にトラブルが起こります。このことが薄毛を助長する可能性があります。また、髪の洗いすぎによる皮脂バランスの崩れが、皮膚炎及び薄毛の原因にもなり得ます。
好ましくない生活習慣
髪が育つための栄養が不足することも、つむじはげの要因となりえます。
栄養不足は、具体的には睡眠不足、喫煙、飲酒などの生活習慣によって引き起こされます。
睡眠不足 | 睡眠不足は、髪の成長に不可欠な成長ホルモンの分泌を妨げます。 |
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喫煙 | タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させるので、頭皮に十分な血流と栄養が行き届かなくなります。また、喫煙者は非喫煙者に比べて、薄毛の原因であるDHTの濃度が高いことが報告されています[2]。 |
飲酒 | 飲酒後はアルコールを分解するために多くの亜鉛を必要とします。この亜鉛はケラチンを生成するために必要であるため、育毛にも欠かせない成分です。 |
つむじはげを見分ける4つのポイント
つむじはげに関して、多くの方は他人から指摘されて初めて気になるようになったと言います。つまり、気づく頃にはある程度症状が進行していることが多いのです。
一方、薄毛は早期に治療した方が改善効果が期待できます。自ら薄毛に気づき、早期に適切な治療を開始できるよう、以下でつむじはげを見分けるポイントをご紹介します。
つむじ周辺の毛の流れがぼんやりしてきた/頭皮が透けて見える
つむじの中心部は地肌が見えるものですが、つむじはげが進行すると、徐々につむじの中心がぼんやりしてきて、渦巻きの流れ(毛流)も不鮮明に。また、視認できる地肌の面積も広くなってきます。
頭頂部のボリュームが無くなってくる
頭頂部のボリュームダウンを実感する場合も要注意です。つむじ周辺の髪が細く、柔らかくなると、ボリュームが減ってきているように感じます。こうなる背景には、ヘアサイクルが乱れて、髪が十分に育つ前に抜けてしまう軟毛化が起きていることが考えられます。
毛根の丸みが無くなってきた/黒くなっている
健康な抜け毛の毛根部分は丸みを帯びていますが、そこが細長くなっている場合は、成長期に何らかの侵襲によって抜けてしまったことが考えられます。
黒くなるのは、髪が成長段階で抜けたことを示唆しています。
頭頂部の薄毛は治る? どう対処すべき?
頭頂部の薄毛は、専門的治療や生活習慣の改善などによって改善することが可能です。大切なのは原因に即した正しい対策を講じること。以下で具体的な方法をご紹介します。
AGAが原因の場合
AGAが原因の場合は、抜け毛を減らす治療と、発毛を促す治療の両方を行うのが有効です。現在の薄毛治療ではフィナステリドとミノキシジルが最も頻繁に用いられます。
フィナステリドは、抜け毛の原因となる男性ホルモンDHTの発生を抑制することで、脱毛を抑える働きがあります。
ミノキシジルには血管を拡張させる作用(血流促進作用)と成長因子の産生を促す作用があります。これによって休止期の毛包の減少、血管拡張(血流促進)、成長期の毛包の増加といった効果が期待でき、その結果発毛が促進されます。
※フィナステリドの詳細に関しては、コラム「フィナステリド(プロペシア)の効果はいつから? 副作用まで医師が解説」をご覧ください。
※ミノキシジルの詳細に関しては、コラム「ミノキシジル【効果と副作用】女性も使える? もしやめたら?」をご覧ください。
頭皮環境の悪化が原因の場合
頭皮環境の悪化が原因の場合は、ヘアケアに注力してください。頭皮が乾燥している時は低刺激のシャンプー、逆に脂っぽい場合は洗浄力の強いシャンプーがおすすめです。ただし、洗浄力の強いシャンプーは頭皮の状態に合わせて使用頻度を調節してください。
生活習慣が原因の場合
バランスの良い食生活を心がけ、飲酒、喫煙を控えること。また、適度な運動や十分な睡眠時間を確保するなどの対応が有効です。髪の成長を助ける食品は、たんぱく質、ビタミン、亜鉛といった成分が豊富なものです。これらを積極的に摂るようにしましょう。
《薄毛の予防対策として取り入れたい食べ物》
タンパク質 | 肉類・魚介類・卵類・大豆製品・乳製品など |
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ビタミン | 豚肉・たらこ・うなぎ・柑橘類・緑黄色野菜・ナッツ類など |
亜鉛 | 牡蠣・豚レバー・牛もも肉・うなぎ・かつおぶし・切り干し大根など |
頭頂部の薄毛を専門クリニックで治療するメリット
頭頂部の薄毛(つむじはげ)の原因はさまざまですが、まずは薄毛治療専門のクリニックで診察を受けてみるのは有益だと考えます。自己判断で間違った対策を続けていても、改善は望めないからです。また、無駄に費用をかけることにもなりかねません。
スマイルAGAクリニックは、処方薬だけでなく、それ以外のアプローチで毛髪治療を行う点も大きな特徴です。薄毛の悩みが軽減、解消されるよう、生活面などの視点からも毛髪治療を行なっています。
・本当に効果はあるの?
・治療費はどれぐらい?
・安全なの?
色々と疑問はおありかと思いますが、そのような方はぜひ、当院の無料カウンセリングにお越しください。完全予約制なので、お時間をしっかり確保して、またプライバシーにも十分配慮した環境で、今後の対応について専門的な視点からご提案させていただきます。
- 頭頂部の薄毛(つむじはげ)の主な原因はAGA
- つむじはげの兆候は、頭の渦、髪質の変化、毛根の状態、頭皮の色などで見分けることができる
- つむじはげの相談は、薄毛治療の専門クリニックへ
よくある質問
10代や20代でもなることはあります。
10代の場合、成人男性と同じような治療を受けることは難しいことがありますが、毛髪治療専門のクリニックであれば、なんらかの有効なアドバイスをしてもらえるはずです。お悩みの方は、あまり1人で抱え込まないようにしてください。ご相談であれば、当院でもお受けいたします。
可能性はあります。
加齢や出産などを契機にホルモンバランスが崩れ、その影響でつむじハゲになることはあります。また、20代の若い方であっても、過度なダイエットによってつむじハゲのような症状が見られることもあります。
ヘアスタイルを意識することで、目立ちにくくすることは可能です。
トップにボリュームを持たせたり、パーマをあてたりといった対応が有効です。ただし、パーマは頭皮や髪にダメージを与える場合があるため、やりすぎには注意です。また、一般的に、長髪よりも短髪にしている方が目立ちにくくなります。